梅雨といえば
梅雨ということで、ワールド・オブ・ダークネスのコンベンションに行ってきました。
というか、実際には開催しました。
その名も「今日、怪物になりました。2025」ということで、
言うまでもなく人気恋愛リアリティーショー「今日、好きになりました。」から取っています。
ワールド・オブ・ダークネスといえば、暗黒の世界というくらいなので
退廃とか暴力とか堕落とか漆黒とかそういうイメージなんですが、
そういうのだけじゃないですよという広がりを出したくて、逆のイメージの青春のテイストにしてみました。
この回転は反発もあるかもなあと思いつつも、実際にWoDお得意の「始まりの物語」、
例えばワーウルフ・ジ・アポカリプスで言えば「最初の変身」に当たる部分は、
人間とかオオカミの若者のカルチャーショックと悲劇を描くわけなので、
「その瞬間」という意味での青春感というか、比較的光の指す方向の物語が語られがちだなあと、常々思っておりました。
というわけで、WoDコンのタイトルとして悪くないチョイスだったと思う一方で、
闇に彩られたWoDが好きな自分としての自問自答が、イベントを準備している間、常にあったのも事実でした。
そこに若干引け目を感じてしまったことで、全体を通してあまり強くその青春感を打ち出すことはためらわれたなあという反省はあります。
(オープニングムービーも結局、陰謀劇風な内容でしたね)
いつもなら、コンベンションの体験というものを、参加した人の心の中だけにしまっておく大切な宝物にしてほしい気持ちがあり、
あまりイベントで何をした、とかどんな人がきたか、みたいな報告はしないサークルポリシーなのですが、
時間ともに記憶が失われてしまうのも何だなと思ったので、今回は全部書いてみることにしました。
ぜひともコンベンションレポートの実験にお付き合いください。
亀戸開催再び
2025年6月14日、亀戸文化センター第1研修室と第2研修室をつなげて6卓で行ったワールド・オブ・ダークネスオンリーコンですが、
この第1研修室と第2研修室は適度に広い上に比較的競争率も低く、音響卓も使えるので、とても良いなあと思っております。
この会場は、あのウタカゼ10周年イベント「ウタカゼミッドサマースラム」と同じ会場だったので、
音響卓の使い方もこなれてるだろうと思ったんですが、思いの外、準備に手間取ったのと
開会式まで30分しか準備時間がないギリギリスケジュールだったので、結局スピーカーから音を出す事自体は諦めてしまいました。
あらかじめHDMIから音声分離して、スイッチングを試す気満々だったのでここは悔しいですね。
当日のタイムスケジュールを適当に決めるからこういうことになる、という強めの反省です。
そんな良い会場でのゲーム、というところですが、なぜかマイクが外部と混線するトラブルが2回も発生して、そこはかなり困りました。
この辺が、意外に人気がない秘密なのかもしれません。(ウタカゼコンのときもそうでしたっけ?)
ワールド・オブ・ダークネスって知ってます?
コンベンション卓として発表されたゲームは6卓ありました。
・デーモン:ザ・フォールン
・ハンター:ザ・レコニング第5版
・ヴァンパイア:ザ・マスカレード第5版
・ワーウルフ:ジ・アポカリプス第5版
・メイジ:ジ・アセンション日本語版リバイズド
・ワーウルフ:ジ・アポカリプス日本語版リバイズド
一時代を築いたとはいえ、やはり日本の現状ではどう褒めてもマイナーゲームに属してしまうところ、
6卓集まると、なかなか壮観です。
しかも、最新版の5版から、デーモンまで。
人が集まるかなあ、という心配もよそに、あっという間に予約が埋まっていき、最後の週には21人満員になりました。
ここは本当にプレイヤーの皆さんに感謝しかないのですが、
告知が遅くなってどんなゲームが立つのか、はたまたWoDってなんなのか、全くわからない状態のまま、
10人以上の方が初動で予約してくださいました。
この反響には驚きもあったのですが、とにかく嬉しい気持ちのほうが強かったです。
というのも、僕たちが割と
「タイトルと主催者しか発表されていない、何をやるかわからないけどなんか絶対面白いことをやる」
タイプのイベントーーもっとはっきりいうと、プロレスのスーパー・ササダンゴ・マシンが主催する興行ーー
が好きで、TRPGコンベンションもずっとそのオマージュでやってきた部分があったので、
奇しくもWoDのコンベンションが、そういう好きなタイプのイベントになったなあという気持ちがあったのも事実です。
告知が遅れたのはひとえに自分の能力の問題なだけなので、ほんとに偶然ではあるんですけどね。
ケーキとワイン
そんな、荒唐無稽なSillyWorksのコンベンションに一度でも遊びに来ていただいた方はご存知とは思うのですが、
いつも開会式でオープニングムービーというのを流しています。
会場の1/3をつぶして、映像を映し出すスペースを作るという非効率さと、単純に撮影などの準備が大変なので、サークル内では非常に評判が悪い(いつもこの制作のせいで大喧嘩になる)代物だったりします。
ですが、1年くらい経ってから眺めてみると、案外その時のみんなの熱量やTRPG作品への思い、はたまた人間関係をうまく捉えた映像作品(かっこよく言いましたが、つまりその時の状況、その時の勢いでしか撮りえなかったナニカ)になっていることが多く、またやりたいな〜という気持ちになるので、オススメです、ムービー。
今回のムービーもいつもの通り、「ワールド・オブ・ダークネスコンベンションが開催された理由」を描くストーリーになっていて、【参加者の魂を集めて上位存在と契約しようとしていた主催者側の陰謀であったことが明らかにされる】、というものでした。
いつもは、coyoteが脚本を書いて監督するところ、今回は自分がメイン主催のため、動画に出演せざるを得ず、代わりにメンバーのs2さんがメインで監督をした作品になりました。
こだわるところと諦めるところを論理的に選択する彼のスタイルがハマり、一つの場所、一つのアイデアで撮った即興的な映像でありながら、全体的に気持ちよくしっかり見られたのではないでしょうか。
後半のゲーム紹介煽りパートは今回始めて試みましたが、締め切り間際に極限の中で作られた部分の割には、まあまあかっこよく、ストーリーテラーとWoDのゲームたちをしっかり彩れたのではないかと自負しています。
また、楽曲をSuno AIに描かせたのも今回のチャレンジの一つで、動画のテンポ感とWoDのかっこよさ、両方を満たした曲をつけることができて満足しています。
ただ、日本語の歌詞がバグってる部分や展開がチグハグな部分が目立ったので、かなり編集で手を加えました。
この辺はまだまだ未発達で、人間の力が必要な部分だと思います。
自分が差し出されたケーキを食べて毒◯されてしまう陰謀劇は、お気づきの方も多いと思いますが、ちょうどその時流行っていた機動戦士ガンダムジークアクスのパロディです。
しかし、最終回まで見た今思うこととしては、
「陰謀劇をパクるなら、主軸はケーキではなくてワインにすべきだったか……」でした。
そんな動画でのワインのシーンですが、「開封したら1度きり」となってしまう、これまでの撮影の中でも類を見ない厳し目の状況の中、演者のみなさんの協力で一発OKになったので安心した記憶があります。
※ケーキもワインも、撮影後スタッフが美味しくいただています。
いきなりワーウルフ
開会式も終わってゲームの方も順調に、というところなんですが、1個不測の事態が起こっておりました。
残念ながらワーウルフのストーリーテラーが病欠となってしまい、急遽coyoteも現場をはずれてSTをすることになったのです。
ですが、幸いにもというか、coyoteは昨年から今年にかけてワーウルフ:ジ・アポカリプスのリハビリを何度かする機会に恵まれていたので、シナリオの準備があり、なんとかSTを行うことができました。
プレイヤーのみなさんに、ワーウルフのゲーム説明というか
「オオカミという動物がいかに素晴らしい動物であるか、
そしてこのワーウルフというゲーム自体、そのオオカミという動物の解像度がいかに高いゲームであるか」
を懇々と語っているうちにテンションが高くなってしまい、とても楽しくゲームをさせていただきました。
ワーウルフは、野生動物や精霊など、人智を超えた存在とのコミュニケーションを楽しむゲームでもあり、時に意味ありげな、そして意味不明なシーンや演出を作ってプレイヤーを混乱させてしまう場面も多々ありましたが、プレイヤーのみなさんが粘り強く解釈していただいて、大変助けられました。
そして、ワーウルフらしい衝動的で破壊的なロールプレイを目の当たりにして、久々に叫んじゃいました。ゲームで。
ありがとうございます。楽しかった。
他の卓も、WoDにおなじみのゲームタームやキャラクターの偏見を言い合いながら、楽しそうにプレイされておりました。
長時間のゲームプレイになりがちのWoDにしてはギリギリの卓時間設定のなか、
ベテランのストーリーテラーのみなさんはかなりテキパキとゲームを進めていて、
イベント終了時間も予定通り終わることができました。
最高で、終わるのが惜しい夜
そんなわけで、まあまあ大変な催しではありましたが、なんとか形になってよかったです。
そして、「聞いたことはあるけどプレイしたことがなかったWoDを、実際にプレイできてよかった」
というような感想を多くいただき、約束を果たしたな〜という感情があります。
自分たちでもWoDに再び触れて、「やっぱり好きだな」という気持ちも高まったので、
またみなさんとお会いできればいいなと思っています!
「俺もWoDのSTできるぞ!」という方がいたら、ぜひ次は立候補お願いします。
WoDを20卓たてよう!
なんてね。
おしまい